第5章:不協和音

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5:大火力時代、その光と影

そんなディソナデッキに共通する特徴は「3面要求+α」だ。

【ディソナユキ】のようなコントロール色の強い構築を除けば、ディソナであれば3面要求はどのルリグでも可能なのは自明の通りだ。《バクチク//ディソナ》を筆頭にした下級アタッカーから、《LOVIT//ディソナ》《バン//ディソナ》の両翼まで、「シグニを除去してライフクロスをアタックする」手段、あるいはそれに近しい手段は無尽蔵にある。《サーバント #》を除くデッキの全てを、除去カードとそれにつながるカードで構築しても問題ないくらい、ディソナは火力に優れた集団だ。なのでこの環境では「3面要求」は当たり前で、それだけでは強みとはいえない。ゆえに「+α」で強みを発揮していくことが求められたのだ。

23/05/06 ディーヴァグランプリ5th3位 わっく選手(大会結果ページへ)

【ディソナピルルク】【ディソナみこみこ】であれば「3面要求+ハンデス」を、【ディソナナナシ】であれば「3面要求+デッキ破壊」を、【ディソナ花代】であれば「3面要求+追加ダメージ」、というように、3面要求に更なる付加価値を加えられたルリグやデッキが、メタゲームの上位に立てた。【黒点未知マユ】の「3面要求+デッキ破壊+追加ターン」のように、一つで足りなければ複数の付加価値を持つデッキもあった。【不穏ナナシ】も【ディソナナナシ】の「3面要求+デッキ破壊」に「ハンデス」を足したもので、より深く見ていくと、【ディソナピルルク】も「ハンデス+リソース確保」、【ディソナ花代】も「追加ダメージ+エナ破壊」など、更なる付加価値を持っていた。そんな複数の付加価値が向かう先は、ただただ「火力」の二文字。ディソナとはそういう環境だったのだ。ゲーム体験は派手で、バニッシュが飛び交う対戦が多かったが、それゆえにライフバーストの有無や《サーバント #》によるガードの可否などが、勝敗に直結してしまうことも少なからずあった。

ディソナ環境でどのルリグが最も強かったのか、この項目を書いていても結論は出ない。
メタゲームを牽引していたのはナナシやみこみこ、花代のようで、分布を見てもそこにピルルクが入ってくるくらいだが、誰がディソナ最強なのかという結論は、人によって異なるであろう。ここまで挙げなかったデッキタイプも多々あり、例えば《instigate》でデッキ破壊を手堅くした構築、《黒点の記憶》で中長期戦を意識した構築など、ディソナの枠の中で数多のデッキが誕生した。
非ディソナのセンタールリグがディソナを取り入れることも多かった。パートナーシグニを持たない点でメインデッキこそ劣るが、センタールリグ自身の性能でカバーすることは充分できた。《UNKNOWN》を取り入れたサシェなど、意欲に満ちたデッキも多数登場。トーナメントシーンはディソナルリグが席巻していたが、デッキビルドの観点から見ても、「ディソナ」は非常に汎用的なパッケージだったのだ。

だが、光ある所に陰あり。ディソナの目覚ましい活躍の陰に隠れた、「活躍できなかったディソナカード」は数多い。
シグニは《バクチク》《ワウルフ》《イシガメ》を筆頭に限られた数枚ばかり、スペルも《EXTRA》《開園の合図》《羽化》ばかりで、多数登場したはずのカードは目立つことさえなかった。ルリグを見ても、リメンバやメル、緑子など、一定の強さを持ちながらもトップに上がれなかったカードは多い。メルのように一時的に評価されたが、伸びきれなかったルリグやデッキもあった。

power!yeah!!

歴史は繰り返す。ウィクロスで、そしてカードゲームで繰り返された強化の悲喜こもごも。ディーセレひとつを見ても、メタゲームで何度も輝く《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》の同期たちがどうなったか、よく知る読者も多いだろう。メタゲームに飲み込まれ、過去へと消えていったカードは数多ある。例え「ディソナ」のような歴史の転換点においても、残酷に格差はあるものだ。

歴史の濁流の奥底から、頂点へ、王手へ。
そんなルリグが輝く日は、まだまだ遠い未来の物語。

COMING SOON…(2026.11 公開)