第2章~劇中最強

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1:ソウルがディーヴァを支配する

「劇中最強級の力をその手に」というキャッチコピーで登場した新チーム、「D・X・M(デウス・エクス・マキナ)」。作中でDXMは「トップディーヴァ」と謳われており、数百、数千、それ以上のディーヴァチームが存在すると推測されるウィクロスランドにおいて、そのトップに立つチームだ。

アニメと連動したカードゲームにおいて、ボスに該当するキャラクターのカードが、そのままの性能でカードになることはあまりない。作中で滅茶苦茶な能力になることが多いため、そのままカード化するとゲームバランスを壊してしまうし、かといって調整をしすぎると、非常に残念な仕上がりのカードになってしまう。しかしDXMの3人のルリグ「デウス」「エクス」「マキナ」は、まさに「劇中最強」に恥じない性能そのままに、構築済みデッキ「TOP DIVA DECK D・X・M」と4弾「VERTEX DIVA」で、ディーセレの舞台に殴り込んできた。

ウィクロス公式サイトより

デウス・エクス・マキナの3人がセンタールリグとして登場した4弾。3人のレベル3のセンタールリグは共通して、「ソウル」という能力を持つ。グロウを経て下敷きとなった、自身のレベル0~2のルリグカードをシグニに付与することで、そのシグニに様々な能力を与える、というものだ。

レベル1・2のセンタールリグは【ソウル】になった際、何らかの効果を追加でシグニに与える。また能力を持たないレベル0ルリグを【ソウル】として与えていても、レベル3ルリグの能力として、シグニが何らかの能力を得たり、【ソウル】を付与した時に発動する能力を使うこともできた。
この点で、当時までに登場した全てのセンタールリグを過去にしてしまった。他のデッキが「アシストルリグ4枚・ピース2枚・レベル3のセンタールリグ」で戦う中、DXMの面々は、更に「レベル0~2の下敷き」という追加の3手を持っている。その3手が、狭いカードプールのディーセレにおいてどれだけ恵まれていたか、想像するのは難しくないはずだろう。

ソウルの正面がマイナス2000

与える能力はそれぞれ異なるものの、特にデウスとエクスは火力面に優れていた。

《デウス・スリー》は自分のターン中、【ソウル】が付いたシグニの正面のパワーをマイナス2000する常時能力を持つ。【ソウル】として付与されていればアタック時にマイナス10000できる《デウス・ツー》と合わせれば、アタック時にマイナス12000が可能。《デウス・ワン》だけでもマイナス8000、《デウス・スリー》と合わせてマイナス10000なのだから、当時では破格のスペックだ。

エクスの《エクス・スリー》は、【ソウル】が付与されると1枚の手札交換ができ、【ソウル】となった《エクス・ツー》は、アタック時にパワー12000以下のシグニを1体バニッシュできる。デウスと比べるとやや見劣りするが、それでもハイスペックであることに変わりはない。
そもそも前弾までのディーセレでは、アシストルリグやピースを使わずにパワー12000のシグニを除去することは非常に難しく、できたとしても多くのエナや手札を消費したり、難しい条件が設けられているケースが多かった。No Limitのパートナーシグニの《ローズクォーツ》がパワー12000以下のシグニをバニッシュできるだけで強かったし、ライフバーストによる除去のためだけにバニラシグニが採用されていたという歴史が、現にそれらを証明している。

しかし、デウスとエクスの2人は、起動能力でレベル2のセンタールリグを【ソウル】で付与するだけで、12000のマイナスやバニッシュを達成することができた。ついでに言えば、【ソウル】の付与にエナや手札のコストはかからない。起動能力ゆえに、後に《コードハート リメンバ//メモリア》に邪魔される程度で、ただただお手軽な除去手段だ。これだけで隔世の感のカードパワーであることは、充分に伝わるのではないだろうか。

DXMは【ソウル】という唯一無二の強みを持ちながら、もちろん、チームピースやチームシグニも持っている。そのスペックもやはり「劇中最強」であった。

BANG!

チームピースは《Trigger of Victory》。他チームがルリグアタックを強化する派手な性能を持つ中、DXMの能力は堅実だ。

コストは無色1エナ。相手のライフクロスを1枚クラッシュし、トラッシュからガードを持たないシグニ1枚を回収できる。メインフェイズにライフクロスをクラッシュするため、《TROUBLE》などの危険なライフバーストを回避しやすい点が優秀であり、シグニの回収もその場にあったカードを回収できることから、非常に小回りが利きやすかった。

チームシグニは《コードアクセル ガルウィング》……だが、こちらはあまり使われなかった。実質的なチームシグニとして暴れたのは、黒のハーモニーを持つ《紅将姫 キントキ》が、実質的なDXMのチームシグニとして活躍した。

出現時能力では2エナで【アサシン】を得られ、【ソウル】などで対処できない高パワーシグニや【シャドウ】をあっさり跳び越えられる。そしてアタックフェイズ開始時のエナ破壊で、大型防御にプレッシャーをかける。コスパよし、取り回しよしのパワフルな能力がそろっていた。

黒のハーモニーは制約に見えるが、センタールリグをエクスにすれば、アシストルリグのデウス・マキナが黒となり、2枚同時に《キントキ》を配置できる。《Trigger of Victory》で再利用もしやすいこともあり、《キントキ》2体の配置も狙える【チームエクス】では、特に大活躍していた。

そして、センタールリグが持つゲーム1能力もまた規格外であった。コストにエクシード3と、ルリグデッキのピース1枚を求められる重さがあるが、《エクス・スリー》は赤シグニ2体に【アサシン】付与、《デウス・スリー》はガードを持たないシグニ3枚をトラッシュから回収、《マキナ・スリー》はマイナス12000を2体に飛ばすという、2面要求に匹敵するスペックを誇った。

ピースを1枚犠牲にするコストは一見デメリットだが、《ゼノ・クラスタ》のような特定条件下でしか機能しないピースを採用すれば問題なかった。ハンデスやランデス相手にはゲーム1を放棄して《ゼノ・クラスタ》を使うし、そうでなければ《ゼノ・クラスタ》をゲーム1のコストに充てればよい。時には《Trigger of Victory》をコストに充てるなど、対戦相手やゲーム展開に合わせた、柔軟な対応が強みとなった。エクシード3もアシストルリグの下敷きを支払うため、【ソウル】を消費することはない。

先ほど、「他のデッキが『アシストルリグ4枚・ピース2枚・レベル3のセンタールリグ』で戦う中、DXMの面々は、更に『レベル0~2の下敷き』の3手を追加で持っていた」と書いた。それに加え、ゲーム1能力で「事実上ピースを3枚持っている」というのが、この時代のDXMなのだ。

ここまで多くの文字数を割くこととなったが、それほどまでにDXMのカードスペックは衝撃的だった。後の【ディソナ】やアーツに匹敵するほどの劇的なカード群で、ここからディーセレは約1年半ほど、DXMが一時代を築くこととなる。
だが、DXMだけで終わらないのがこの4弾のメタゲームだ。じっくりと見ていこう。