第2章~劇中最強

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4:【原子デウス】誕生

5弾ではルリグ止めピース《М.G.D》の登場もあり、ルリグアタックでフィニッシュをねらうデッキはやや厳しい状況に追いやられた。一方で《М.G.D》の影響を受けにくく、エクシード3のコストに充てられるために《М.G.D》を採用しやすかった【チームエクス】は、【チームヒラナ】や【チームLION】の減少を受け、一気にトップデッキになる……はずだった。その状況に待ったをかけたのが、チームの同僚・デウスだったのだ。

4弾環境から【チームデウス】は、【チームエクス】に近い活躍を見せていた。
自身が黒ルリグゆえに《幻竜姫 ドラゴンメイド》や《コードアンシエンツ ファラリス》といったデッキ破壊ギミックを採用しやすいことや、【ソウル】によるパワーマイナス付与やエクシード3によるシグニ回収の汎用性の高さもあって、エクスとは違ったタイプのデッキとして、多くのセレモニーで優勝・入賞していた。赤シグニの扱いやすさや【アサシン】による攻めなどではエクスに軍配が上がるが、赤以外の色のシグニの扱いでは、デウスの方が総合的に上回っている面もあった。「構築の幅が広いデウス」「火力とエナ破壊に秀でたエクス」という棲み分けが大まかに可能だったのだ。事実、《聖天姫 エクシア》の登場もあり、4弾後半ではアシストに白を採用した【混成デウス】も開拓が始まっていた。

21/08/11 おもしろ市場鹿島台店優勝 シノ選手(大会結果ページへ

もちろん、デウスでエナ破壊をしたり、エクスで赤以外のシグニを有効活用することもできる。使用者の好みやライフバーストの有無、道中の対面などもあって、両者のどちらが圧倒的に強いというわけでもなく、「デウス・エクス」がともにトップを支配していたメタゲームになりつつあったのだ。

そのような背景の中で発売された5弾に、「水」こと《羅原姫 H2O》がいた。「どんなシグニでも【ソウル】をつければアタッカーになれる」というデウスと、「火力は持たないが単体スペックが非常に高い」《羅原姫 H2O》が恐ろしいほどに噛み合い、ディーセレ黎明期の最強デッキとして名高い【原子デウス】が誕生した瞬間だ。

《羅原姫 H2O》は対戦相手のターン中、相手の効果で場を離れる際、下敷きを全てトラッシュに置くことでそれを無効にできる疑似耐性を持っている。そのうえでパワー13000ゆえにバトルでもバニッシュされづらく、非常に場持ちのよいシグニだ。

加えて、アタック時にハンデスかドローができ、相手とのリソース差を一気に広げられる。「ライズ」ゆえのリソース消費の激しさもあったが、各種能力で十分におつりが来るし、「妹シグニ」である《羅原 H2》の上にグロウすることで更にランダムハンデスをお見舞いできるなど、シグニとしてのカタログスペックは抜群だった。
ライフバーストも2ドローしつつ、手札から<原子>のシグニを1枚まで場に出せる。一見すると防御ではないが、このライフバーストで場に出たシグニの出現時能力は発動するため、《羅原 Pa》などの出現時で除去する<原始>シグニを場に出せば、あっという間に2面防御に早変わりだ。

そんな《羅原姫 H2O》だが、唯一持っていないのは火力だけ。そこをデウスの【ソウル】が解決した。「ライズ」ゆえに下敷きが必要であり、《羅原 H2》という特定のシグニを下敷きに求められたとしても、《デウス・スリー》のエクシード3で任意のシグニを3枚かき集められる点もかみ合いは抜群だ。【ソウル】は付与されたシグニが除去されたらルリグトラッシュに送られ、再利用はほぼ不可能になるが、そもそも《H2O》の場持ちがかなり良いことから、【ソウル】はなかなか消えない。除去手段も《H2O》や《H2》などのハンデスの上から確保しなければならず、例え《H2O》を乗り越えても、《デウス・スリー》のエクシード3で再展開されたり、《ファラリス》や《コードアンシエンツ スチームパンク》などの別口のアタッカーが襲ってくる。<原子>の下級シグニには《羅原 Pa》《羅原 BP》などの除去役や《羅原 Se》など2色バニラもおり、総合的に隙の無い布陣となっていた。

【原子デウス】の起源は諸説ある。WIXOSSBOXでは9月の長野県で開催されたセレモニーで、《H2O》を採用したデウスデッキを初確認できた。

21/09/05 magicbox3位 マメジロウ選手(大会結果ページへ

本格的な開拓と研究が進んだのは、10月のディーヴァグランプリ2021の後だ。後に【原子デウス】の第一人者となるわっく選手が本大会にこれを持ち込み、決勝トーナメントまで躍進したことから注目を集めた、とされている。わっく選手への取材では「初めて作ったのは一番最初のディーグラ(同2021)の時だった」「夏に遠征しに行った長野のセレモニーで、原子デウス使ってる人がいたことに後から気づいた」と述べており、各地でデウスと《H2O》のポテンシャルの高さに注目していたプレイヤーがいたようだ。何はともあれ、この【原子デウス】が世に放たれたことで、メタゲームの風向きは【チームエクス】から【原子デウス】に移り変わり始めた。

では、そんなディーヴァグランプリの初代王者はどのデッキだったのかといえば……、《No Limit》の【チームヒラナ】だった。2~4位はみなDXMの関連デッキで、並み居る強豪を《Glory Grow》で吹き飛ばし、ヒラナはてっぺんへと駆け抜けていった。

コロナ禍という特殊な環境下で開かれたこの大会には、会場となった横浜に全国から多くのプレイヤーが参加した。おなじみとなった感染対策を顔にまといながらも、数年ぶりに開かれた大規模ガチばとるを噛み締めるように、誰もがウィクロスを楽しんでいた。その頂点にディーヴァシリーズの主人公、ヒラナが輝いたのは、ドラマチックであり、また美しくもあった。

そんな熱気が渦巻くバトルフィールドのそばに飾られていたのは、次弾に登場するカードたち。
発売されるパックの名は「WELCOME BACK DIVA~selector~」。

「おかえり、セレクター」の掛け声と一緒に、あの頃のルリグたちが、虹色の輝きと共に帰ってくる。

COMING SOON…(2026.08)