2:シグニゾーンにこれより介入!
さて、4弾環境。DXMで先陣を切ったのは【チームエクス】だ。
デッキの詳細はここまでの解説にほぼ沿う。序盤は《ランスロット》で攻め、レベル3以降は《Trigger of Victory》や《キントキ》、ソウルやゲーム1で押し切っていく、王道の赤ルリグだ。ミラーマッチでのエナ破壊対策に《ゼノ・クラスタ》を合わせることで盤石な強さを誇り、颯爽とトップメタの一角の座を手に入れた。

【チームエクス】と並行して活躍していたのは、前弾でも人気だった【チームヒラナ】【チームLION】だ。4弾時点でのDXM勢は《サーバント #》の安定した確保手段がほぼ無く、特に序盤はドローフェイズでのドローで引けなければ、ルリグアタックが素通りして押し負けるという弱点もあった。エクスの「ソウル」付与に際する手札交換こそあったが、運頼りの要素も強く、そこは唯一つけ入る隙だった、と言ってもいいだろう。それも「4弾時点で」と書いてある辺りから、察していただきたい弱点ではあるが。
DXMの登場が一大ニュースではあるが、4弾では「混成チーム」の概念が強く打ちだされた弾でもある。
「No Limit」「うちゅうのはじまり」などという枠組み以外でのデッキ構築を後押しカードが登場し始めたのがこの弾だ。
まずは、同じ色のルリグが2色以上いることで使える単色ピースが登場した。チームピースとの併用がほぼ不可能な分、カードパワーが強力なのが特徴だ。5弾と合わせて各色に登場するが、特に白2体以上の《ホワイトヘヴン》、黒2体以上の《DEATH DECK》は高い人気を集め、センタールリグ、アシストルリグの全てを白、または黒のルリグでそろえる「白単」「黒単」構築の先駆けとなった。黒のルリグ2人が所属するDXMは、チームピース《Trigger of Victory》と《DEATH DECK》を併用できるという特権を持つが、劇中最強なので許されている。


またチームに縛られない、2種類目のセンタールリグが登場したのもこの弾だ。アキノ、LION、タマゴ、マドカ、アトに新たなセンタールリグが登場し、新たなデッキが開拓され始めた。タマゴの新ルリグ《ノンストップ Dr.タマゴ》は凍結とランダムハンデスを得意とし、《コードオーダー ワッフルアイス》を軸にした【凍結軸タマゴ】が人気を集めた。アキノは後に【白単アキノ】としてメタゲームをけん引する存在となり、LION、マドカの両名も、意欲的なデッキが模索された。アトは新ルリグとともに、使い勝手の良いチームピース《世界逆流》を得て、当時基準の舞台で戦うことが可能になった。

混成チームを後押ししたのは、《マキナウィングスラッシュ》《マキナスマッシュ》という超優秀なアシストルリグの登場もあっただろう。除去と盤面確保を同時にこなす《マキナウィングスラッシュ》と、防御と回収を行える《マキナスマッシュ》は、序盤にグロウする軽量アシストルリグとして大活躍。《マキナスマッシュ》以外にも、大型防御の《マキナバインド》や、ライフ回復による事前防御ができた《マキナリペア》もおり、マキナはアシストルリグにおけるトップディーヴァとして君臨することに。黒のカードが優秀だったこともあって、マキナはアシストルリグの枠として、長く引っ張りだこだった。



同時に登場したデウスのアシストルリグも優秀で、過去に登場したLIONやマドカにも高性能なアシストルリグがいたことから、エクスやヒラナ、LIONといったチーム構成がメタゲームをけん引する中でも、チームの枠組みにとらわれない構築が続々登場し始めた。「チーム」という概念がほどけていくのは6弾だが、この頃からその予兆があったのである。
続いてはメインデッキ。何より《聖天姫 エクシア》が登場したのがこの弾だ。

「味方のシグニに触れたら1点防御」は革命的な能力で、対象を取っての除去がスタンダードだったディーセレに、いわゆる「拡張防御」の概念をもたらした。トップメタのエクスは【アサシン】で超えられたとはいえ、シグニが防御を持っている影響力は非常に大きく、《エクシア》の登場により【ランサー】や《コードアンシエンツ ファラリス》などにスポットが当たることもあった。
また、当時は白のルリグが自分の場にいなければ、白のシグニである《エクシア》をメインデッキに採用できないというルールがあった。そのうえで《エクシア》を採用するためだけに、センタールリグにエクスを、アシストルリグにマキナとLIONを採用するという、いいとこどりの欲張りなデッキが研究されるなど、それほどまでに《エクシア》は革命的なカードだった。2026年現在でもその存在感は健在で、<天使>ゆえのサポートを受けられるようになったり、単体でも非常に多くのデッキで採用が検討されるなど、ディーセレを象徴するシグニの1枚であることは間違いないだろう。
この頃にはコロナ禍も落ち着き……、というより、感染力が強くなったオミクロン株を前にお手上げ状態。1日当たりの新規感染者数は3桁4桁が当たり前になっていた。日本では2020年に開催予定だった東京オリンピックが延期され、2021年に無観客で開催。緊急事態宣言で人流を制限するかたわらで、無観客とはいえ国際的なイベントを開催する不思議な世の中だった。
ウィクロスではプレイヤーによる攻略コラム「ウィクロスアカデミー」が7月、ウィクロス公式サイトでスタート。プレイヤー執筆の攻略記事は雑誌「カードゲーマー」や「ウィクロスマガジン」で以前から掲載されていたが、同誌の定期刊行が9月に終了することを受け、コラムの場を誌面から公式サイトに移管した形となった。
さて、DXMや《エクシア》などの登場で、また1弾カードパワーが上がった第4弾。
そして8月の5弾「CURIOSITY DIVA」の発売で、ディーセレは更に「DXM時代」へと突入していく。