第4章:その部屋は誰のもの?

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2:全てのルリグが再集結!

さて、そんな夢限少女杯予選期間中の22年10月に発売されたのが、11弾「REUNION DIVA」だ。
「REUNION」の意味は「再集結」。この弾を以て、コラボなど特殊な例を除き、全てのルリグがディーヴァセレクションに参戦した。ディーセレの開始から約2年、長い時を経ての再集結。実装されたのはサシェ、アイヤイ、ミュウ、アルフォウ、夢限と、「アロス・ピルルク」の6人だ。

タカラトミー公式サイトより

この弾を以て、約1年半にわたって続いたDXMの天下が終わることとなる。リメンバの台頭だけでは揺るがなかった、デウス・エクスの地位を崩したのは、同じ白ルリグの《白夜の使者 サシェ・モティエ》だった。

シグニアタックにエナの支払いを強いるゲーム1能力と、レベル2の時点で得られる「クラフトレゾナ」の《白羅星姫 フルムーン》により、最大4面防御を内蔵した超堅牢なルリグ。ビートダウンを軸にしたデッキは、このサシェを前に大きな足止めを食うこととなった。

それがもろに直撃したのが、DXMの面々だったわけだ。
ただでさえ超えづらかった《聖天姫 エクシア》や《コードハート リメンバ//メモリア》に加え、サシェの起動能力によるパワー上昇やゲーム1能力、《フルムーン》なども立ちはだかり、突破に更なるエネルギーを求められることになった。ビートダウンに特化したDXMたちは、これらの壁を超えるうちにリソースを失っていき、力尽きる事態が続出。ビートダウンの最高峰のデウスたちがこうなのであれば、他のビートダウンデッキは言わずもがな、である。

これにより、リメンバが支配しつつあったディーセレのメタゲームのスピードは、サシェの参戦で更に低速化した。

白カードを軸に、手札破壊の青、トラッシュ利用の黒が支配する「コントロール環境」が本格的に幕を開けていった。ディーセレが始まって以来の初めてのコントロール環境は、デッキ構築のスタンダードを大きく変えていくことになる。

最も大きな変化が、アシストルリグの防御面数だ。
チーム構成のデッキは、左右のレベル2のアシストルリグをアタックフェイズにグロウさせ、その出現時能力で防御を行う。アシストルリグは防御面数が多ければ多いほど、グロウコストや出現時能力に必要なエナコストなどが増え、防御面数が少ないほど、グロウコストや出現時能力に必要なエナコストが軽くなっていることは、当時のプレイヤーならよく分かるだろう。

【DXM】が中心にいた、ビートダウン時代の防御面数で最も主流だったのが「4面防御」の構成だ。2人のレベル2アシストルリグの防御面数が「片方が1面でもう片方が3面」という構成のことである。アシストルリグはアーツ次代のリミットアッパーの役割も果たしていたため、センタールリグがレベル3にグロウする直前で1面防御のアシストルリグをグロウさせ、リミットをプラス1しながら1面守り、「レベル3リミット7」を作って戦う、というのがセオリーだった。もう1人の3面防御のアシストルリグはその後のゲームの流れで使っていき、終盤にリミット8になるというのが、DXM時代のディーセレのスタンダードだったのだ。

その傾向が大きく変わった。具体的には、「1面+3面」が「1面+1面」になったのだ。
理由は様々あるがその一つは、コントロール環境になったことでシグニの火力が下がり、3面防御が必要なくなったということだ。【リメンバ】や【サシェ】は程度の差はあれど、レベル3グロウ後は「シグニで1点+ルリグで1点」という風に攻めていくことが多い。そもそも《聖天姫 エクシア》など固いシグニが並びやすく、シグニがライフクロスを守るため、3面防御が必要になる場面が少なかったのだ。並行して、手札破壊やバウンスなどでエナや手札が増えず、3面防御分のコストをねん出しづらかったという事情もあり、3面防御はやや下火になっていった。

他にも「早々にリミット8にしたい」という事情もあった。シグニで身を守るのであれば、盤面に並ぶシグニのレベルやパワーは高い方がいいのは明白だ。であれば早々に左右のアシストルリグをレベル2にしてリミット8を作り、「3-3-2」で戦っていったほうが良い、という考え方である。

アシストルリグのリミット増はリミットアッパーと異なり、センタールリグがレベル2からでも適用されるので、時に「レベル2リミット6」をねらう構築も登場。穴になりがちなレベル1シグニを、デッキ構築段階から極端に減らしたデッキも見られた。

もちろん、「シグニで身を守れれば」という前提である。中にはシグニを突破して押し切るビートダウンデッキも存在したし、ライフバーストなどで思わぬ除去を受けて防御が薄くなるという事態も、マッチアップやゲーム展開では起こっていた。そんなゲーム中のイレギュラーはあれど、全体的な傾向として「1面+1面」や「1面+2面」などが増えてきたのは、【リメンバ】や【サシェ】が台頭してきたこの頃である。

アシストルリグの鉄板だったマドカは《マドカ//クラップ》から《マドカ//ダブ》《マドカ//ブレイク》に、マキナも《マキナスマッシュ》から《マキナリペア》に変わるなど、コントロール環境に適応しはじめた。
《マキナリペア》は《マキナスマッシュ》と同じ1面防御であるが、回復したライフクロスがクラッシュされることでエナが増えることや、「レベル2リミット6」を作りやすいことなどもあり、《マキナスマッシュ》とは異なる使い勝手から注目されていた。

これらの変化の結果、ディーセレのゲームはターン数が長くなった。DXM時代は4~5ターンほどがスタンダードだったのが、サシェ、リメンバ時代は5~6、7ターン目の決着も増えてきた。
プレイするターンが長くなれば長くなるほど、選択肢がどんどん増えていくのがウィクロスだ。特にリメンバは《リメンバ・ディナー》のターン1起動能力で、デッキの上3枚のうちどの1枚を手札に加えるか、という選択が毎ターン発生し、プレイの難易度が上昇。「シグニで1点、ルリグで1点」と刻んでいく都合上、ライフバーストの影響も受けにくいことから、プレイの練度がそのまま勝率に直結する傾向にあった。後に訪れる2023年冬の【防衛派】環境や、2025年春の【ブルアカリメンバ】環境もそうだが、青白の時代は「腕」が求められる時代なのだ。

さて、サシェが特に注目されたこの弾であるが、同期のルリグはどうだったのか。

直接的な表現をするのであれば、ステアード組のミュウ、アイヤイはさほど花開かず、アロスピルルクは鳴かず飛ばずだった。《喝采の歌姫 アルフォウ》は唯一無二の除外を軸にワンチャンスを掴めたり、もともとファンが非常に多いルリグだったこともあり開拓が進んだが、やはり青白環境でビートダウンは厳しく、結局は春を迎えることはなかった。ビートダウンに訪れた冬は、厳しいものであった。

では、残る1ルリグの夢限はどうだったのか。

2024年冬のディーヴァグランプリで優勝し、コントロールの代名詞的ルリグへと出世した夢限。出世したと書いた通り、当時は模索が続くルリグだった。

レベル3でありながらリミット5の夢限。【リミットアッパー】が登場した2024年以降と比べ、裏返る条件である「リミット9」に到達するための道のりは、果てしなく険しかった。アシストルリグの仕組み上、リミット増と防御が連動しているため、防御のアクションが取れるのが原則レベル2のアシストルリグ2回分ということもあり、アーツ時代よりライフクロスを残して裏返るのが難しかったのだ。

また、夢限自身が無色のルリグであることも大きなハンディだった。
エナ破壊に弱いという点はアーツ登場後と変わらずだったが、当時のパワーカード群の「ドリームチームピース」の使用条件のほとんどが、「場に異なる色のルリグが3人いる」だったためだ。無色は色ではないため、夢限はほとんどのドリームチームピースを採用できない。ルリグの色を求められる《ウルトラスーパーヒーローズ》などは仕方ないとはいえ、例えば《マイアズマ・ラビリンス》なども使えないのは非常に苦しく、アーツで例えるなら「リコレクト4アーツを使えない」に匹敵するハンディを背負う羽目になっていた。ゆえに、泣く泣く《ホワイトヘヴン》や《サマーライフブルース》など、同じ色のルリグが2体以上場にいることで使えるピースを採用するしかなかった。

そんな中でも【夢限】は様々な構築が開発、検証されていた。今に続く青白コントロール系基盤を筆頭に、《ホワイトヘヴン》《サマーライフブルース》のための白白、青青も検討されていた。手札を増やせるピース《WISH IN…》が登場したこともあったり、【笛デウス】で注目された《ゆかゆか☆ぴーひゃら》を採用したり、レベル1で防御できる《ノヴァ=ミュート》を試したりと、あらゆる構築が模索されていた。

変わったところは<毒牙>クラスのシグニを多く採用したデッキだ。アシストルリグに緑と黒を置き、今弾で登場した《ドライ=厄姫パンドラ》をエースにしたデッキだ。《厄姫パンドラ》がアタック時にトラッシュから<毒牙>シグニを3枚除外することに注目した構築で、不要な<毒牙>シグニを除外し、夢限が裏返った際のデッキを強くすることをねらったものだ。

2022/10/10 おもちゃのふるや3位 シモーネ選手(大会結果ページへ

やはり長期戦前提のルリグであることから、最終的には青白が主流になっていったが、この「毒牙軸夢限」は、夢限ファンたちの試行錯誤があったことを証明するようなデッキともいえるだろう。2025年の夢限の大活躍は、ファンの手による苦労が実ったものではないだろうか。

さてこの弾は《厄姫パンドラ》の他にも、多くの目を引くシグニが登場ている。
《幻怪姫 翠子//メモリア》はアシストルリグに追加できる拡張防御として、《翠将 バーバリアン》は貴重な序盤のアタッカーとして、緑デッキに恩恵をもたらした。《中装 デウス//メモリア》はレベル2でありながら最大パワー9000まで除去できる性能が評価され、【青黒リメンバ】や【サシェ】などで序盤のアタッカーとして活躍した。

このほかにも、コインと凍結を武器にした「青のリメンバメモリア」こと《蒼英姫 リメンバ//メモリア》や、アーツ登場後に各クラスデッキで活躍した《幻獣姫 キメラ》や《大罠 パントマイム》、オールスターで大量エナ破壊のコンボに組み込まれる《幻怪姫 エクス//メモリア》など、特にSRで輝くシグニが登場している。スペルでも《ダークネス・セブン》《七光》など後に注目されたカードもあった。同弾のピースは何も何もではあったが、メインデッキではいたるところで様々な恩恵がもたらされていた。

青のリメンバもいるよ
<地獣>のサブアタッカー
エナ加速ならお手の物

さて、まだ語っていない目玉の2枚……。もっと言えば「3枚1組と1枚」が残っているのだが、それは項を変えよう。