WIXOSS世界大会予選 学園祭会場
〜キーセレクション第1部・5回戦カバレージ〜

世界大会予選・ウィクロス学園祭会場も、いよいよ5回戦の最終戦を迎えた。
世界への権利まであと1つ。しかもカバレージ卓ということで、プレイヤーの2人から最上級の緊張が伝わってくる。登場するのは、しらかわ夕陽選手とムラ選手だ。「事故ったらどうしよう」「1面ターンエンドはやだなあ」と冗談を交わしてはいるが、どこか遠くを見ていたり、わずかに手が震えていたりと、緊張が止まらないようだ。
プレイマットを整え、じゃんけんに臨む。幾度かのあいこを繰り返し、先行はムラ選手だ。ムラ選手は4枚、しらかわ選手は2枚を入れ替える。多くの手札を入れ替えたムラ選手は「なんとかなんとか」と手札を見て頷いた。

「勝ったほうが、世界大会本戦です」のアナウンスに、両者が表情を固くする。
緊張しないはずがない。だけど、どこか楽しそうでもある2人。会場の喧騒はどこへやら、だ。
世界への道筋へ続く、「オープン!」のコールが響き渡った。

ムラ選手(タウィル)VSしらかわ夕陽選手(ナナシ)

先攻はムラ選手のタウィルだ。チャージを飛ばし、レベル1へグロウ。
コインを得て、「ナナシなら」と<アグニ>と<ショウヒゼ>を立ててエンドだ。前者は赤の悪魔だが、後者は青のバニラシグニ。やや見慣れないシグニがここで飛び出した。

しらかわ選手のナナシ側も、チャージを飛ばしてグロウ。コインを得て、2枚の<アルベル>が飛び出した。
アタックフェイズ。場の<アグニ>を踏み、もう1枚の<アルベル>が1枚目のライフをクラッシュ。飛び出した<炎翼の翔破>で手札を潤すも、ルリグアタックは通った。5−7と、静かな立ち上がりだ。

ムラ選手にターンが帰る。レベル2へグロウし、早速<回心転火>が発動だ。タウィルがビートを刻み出す。
4枚のデッキトップを見つめ、ムラ選手が大きく息を吐く。手札とデッキトップを見つめ、レベル1の<サーバント>をビートに置く。場の<アルベル>を焼き、<ドアーフ>と<カウ>を添えてアタックフェイズだ。
困った表情を浮かべつつも、しらかわ選手はそれを通る。<ドアーフ>がシグニを踏みつつ、1ドロー1エナチャージ。残るシグニがライフを割り、ルリグアタックは防がれてエンド。5−5と、ダメージレースに差はないままだ。

(タウィルの主力アーツ。<ドアーフ>の条件を満たしつつ、除去とビート増を行う1枚。使用後は「プライマル」の種にすれば無駄がない)

しらかわ選手もレベル2へグロウ。ルリグデッキに手をかけて、キーを表にする。飛び出したのは<月鍵タマキー>だ。
キーによってその戦略を大きく変えるナナシ。<タマキー>は少ないコインで、必要なカードを的確に加えることができる。まずは<アルマデ>を加え、そのまま<タマキー>を破棄し、2枚目の<アルマデ>と<グラング>を手札に呼び込んだ。流れるままに、<グラング>が場に出る。そして<アルマデ>が<グラング>に下敷きを添えた。アタック時にマイナス3000。残るシグニゾーンもレベル1のサーバントで埋め、アタックフェイズだ。

そのまま通る。まずは<グラング>が、自身の効果とアタックで2枚のシグニを除去し、<アルマテ>が<ドアーフ>を踏む。正面が空いたサーバントのアタックからは、<シュブ=ニグラ>が現れた。ライフバーストで手札を保ち続けるムラ選手。ルリグアタックはしっかりガードし、4−5でターンを迎えた。

(下敷きがあればマイナス3000。序盤がやや手薄なナナシにとって、貴重な火力だ)

事故もなく、安定した序盤を繰り広げる2人。だがライフバーストの差で、ムラ選手がやや有利だ。潤った手札を見ながら、レベル3へとグロウだ。コインを得て、すぐに<転火>がビートを刻む。4枚の中から、レベル1の<イルリヒト>をビートに。レベル1のサーバントを焼くと、小さく頷きつつ、さらにコインをベットした。

「コイン1枚。<虚鍵の鍵主 ウリス>で」

アーツの限定条件を消し去る、新たなキー。エクシード4の色当てもあり、デッキの防御力を跳ね上がることができる1枚だ。
しらかわ選手は応じたかのように、トラッシュやエナに並ぶカードの色を確認する。青、緑、赤。カラフルなカードたちが揃う。
ムラ選手が手を進めた。まずは<カウ>を立て、<アグニ>も続く。起動で自身がビートに飛び、トラッシュから<サマエル>がやってきた。さらに<カウ>をビートに送り、手札をしっかり潤していく。<カイム><ソウジン>を並べ、アタックフェイズだ。


(通称「虚無ウリスキー」。アーツの限定条件を消す、夢があふれる1枚。トーナメントシーンでも活躍中だ)

ナナシのルリグデッキから「あやキー」こと<ぶりっつあーや!>が飛び出した。
要求のみの1面をデッキトップに飛ばし、防御のアクションを終える。ルリグアタックもガードし、ライフに変化がないままターンエンド。4−5と試合は動かない。

ナナシもレベル3へグロウする。2枚のコインを得て、しっかりと追いついていく。
まずは<デマギア>を<カイム>の正面に配置、<アルマテ>で下敷きを供給し、アタックフェイズ。ムラ選手の「どうぞ」を見届けると、場に残るシグニを踏みつつ、<デマギア>で溶かし1点。さらに空いたシグニゾーンを<アルマテ>で1点。ルリグアタックは止められるも、2−5とライフ差が広がっていった。後手のナナシがしっかりとライフを抱えつつ、タウィルを追い込んでいるように見える。

しかしその差を埋めるのは、タウィルにとって全く苦ではない。
ダブルクラッシュやダメージを要する<シュブ=ニグラ>の手にかかってしまえば、ライフ差を埋めるのは朝飯前だ。
潤沢に潤った手札とエナで、タウィルのステージが始まる。

レベル4へグロウ。まずは<転火>でビートを刻んでいく。レベル2をビートに送り<アルマデ>を焼くと、<ムーンカル>が登場だ。1、4をビートに送り、しっかりと準備を刻んでいく。<ウゴバク>も混ぜて、<ムーンカル>にダブルクラッシュを与えるのも忘れずに、だ。
さらに<ナーキル>。レベル3をビートに刻み、1ドロー。そして<シュブ>が登場だ。<ナーキル>をビートに、得たのはアサシン。正面が空いたところに<プロメテ>を置いて、アタックフェイズがスタートだ。

(キーセレクションのシュブニグラは火力の鬼として登場。1度で最大3枚のライフクロスを砕く)

<ムーンカル>の正面が飛び、ダブルクラッシュがライフクロスに狙いを定める。盤面の要求は、全部で5点だ。
しらかわ選手が上着を脱ぎ、大きく深呼吸。迎え撃つは<フォトジェニック・バリヤー>だ。<プロメテ>の正面の前に<ゲンダ>を置き、2枚の下敷きを加える。そして<ゲンダ>の出現時効果で<シュブ>を溶かし、<あやキー>のエクシードで<ムーンカル>をダウン凍結。ライフクロスをしっかりと守り切った。
ムラ選手は<プロメテ>のアタックで<ゲンダ>をバニッシュし、ルリグアタックは通る。2−4と、5点の猛攻はいなされた。

ナナシの反撃が始まる。4にグロウし<トート><デマギア>を加え、ダメージレースの遅れを取り戻さんと立ち上がる。
「えーっと」と短く呟き、<エノキアン><アルマデ>を配置。<ソノリ>の上に<トート>を乗せ、ルリグ効果で<ゼロイゴナ>を下に加える。そして<アルマデ>の上に<ゼロイゴナ>がライズ。効果で3枚の下敷きを補給した。さらに<エノキアン>が下敷きを追加。シグニゾーンにはなんと、11枚のカードが揃う。

「うーん、アタック入りますね」


(下敷き増強にアタック時の除去。ナナシデッキの全てを支えるエースシグニ)

しっかりとした盤面とは裏腹に、しらかわ選手は自信なさげだ。
ムラ選手は短く、「エクシード4」と、<虚無ウリスキー>の効果を発動。手札を1枚、すっと裏向きにフィールドに置いた。

「色は?」
「……赤で」

刹那、緊張が走る。表になったカードは、

「無色です」

1枚の「サーバント」だった。
11枚がトラッシュに崩れ落ちる。ルリグアタックも阻まれ、2−4のままだった。

ガラ空きの地上。ムラ選手は大きく息を吐き、しらかわ選手の4枚のライフクロスと向き合った。
まずは<サマエル>で<プロメテ>をビートに送り、1ドロー。エナゾーンにゆっくりと手をかけ、全てのコインを使いきり<転火>を放った。コインはもう0枚。<ムーンカル>をビートに置く。
そして<シュブ>。得るのは「アサシン」。2枚目の<シュブ>、再び「アサシン」。1〜4のビートが揃う。アタックフェイズ。

「両方アサシン、アタック時にライフクロスをクラッシュですね」

ムラ選手が伝える。
再び突きつけられた大火力を前に、しらかわ選手がルリグデッキに手をかけた。

「<転火>使いましたよね。<グリモワール・ブラスト>!」


(<転火>などの流行もあり、トラッシュ送りの効果を使う機会も意外と多い。ライズを無条件で出せるのも魅力的)

ここぞとばかりに飛び出す、ナナシの必殺アーツ。脅威となる<シュブ>を1体片付け、<プロメテ>の正面に、<ゼロイゴナ>を呼び出した。下敷きに<ゼロイゴナ>。そして<あやキー>で<シュブ>をダウン凍結し、フィニッシュだ。
ムラ選手のルリグアタックは通る。バーストは<トート>のマイナス10000。<プロメテ>が溶けエンドだ。2−3と、二度目の猛攻も受け止めた。

しらかわ選手にターンが回る。まずは<オウイ>で<ゼロイゴナ>を回収し、<デマギア>を正面が空くシグニゾーンに配置。<オウイ><デマギア>を重ね、<ザロウ>を君臨させた。<シュブ>の正面に立ちはばかる。ナナシの効果で<トート>を下敷きに起き、まだまだ手が止まらない。
<エノキアン>を配置すると、<ゼロイゴナ>の上に<ゼロイゴナ>をライズ。下敷きがさらに潤い、場のカードの枚数は合計10枚だ。<ザロウ>の起動効果でサーバントを回収すると、<エノキアン>が自身の効果で<アルベル>を敷き、アタックフェイズ。<ザロウ>が下敷きを食い、<シュブ>を溶かし切った。

ムラ選手のアクションは早かった。赤6エナを支払い、叩きつけたのは<千差爆別>。レイラ限定のアーツだが、<虚無ウリスキー>があれば問題ない。
再び、全てのシグニが吹き飛んだ。ルリグアタックも防がれる。2度の3面焼き。またもやガラ空きになった盤面を、しらかわ選手は口元を押さえて、ただ見つめるしかない。「エンドです」と伝えるのみだった。

(<虚無ウリスキー>を入れたデッキでお呼びがかかることの多い1枚。6エナ3面除去は優秀の一言)

ターンを迎えたムラ選手は、2枚のドローを終え、じっと手を止めた。
「デッキがあと3枚なあ」と頷きながら、手札を構える。コインはないが、<爆別>の効果で0コインで使える「プライマル」を見据えて、リフレッシュのタイミングを見計らっているのだろう。「ルリグデッキは何枚ですか?」と、しらかわ選手に訪ねた。

「1枚ですね」の言葉に、ムラ選手は頷いた。
<サマエル><トービエ><カイム>を並べるのみでアタックフェイズ。省エネ気味な要求に、しらかわ選手は「どうぞ」と手を差し出した。
ライフクロスで受ける選択。バーストは、1ドローが1枚のみだった。ルリグアタックはなんとか防ぐも、2−0と追い詰められたしらかわ選手。応じる声もやや曇りつつあるが、なんとか気力を振り絞り、立て直しを目指す。

ターンを受けて、2ドロー。しらかわ選手が手を動かした。

「<エノキアン>を場に出し、自身の効果で<オウイ>を加えます。その<オウイ>の効果で自身を加え、場に出し、<ゼロイゴナ>!」

丁寧に紡ぎ、その<オウイ>の上に、エースたる<ゼロイゴナ>を力強く置いた。
トラッシュから下敷きが供給される。それでもしらかわ選手は攻め手を揃えていく。<ゼロイゴナ>の下敷きに置かれた<オウイ>で自信を回収し、さらに場に出した<オウイ>で<ゼロイゴナ>を下敷きから回収。そして、ライズだ。
さらに下敷きが供給される。デッドラインに追い詰められるも、一気にライズを整えていく。<エノキアン>で2枚目の<ゼロイゴナ>の下敷きを2枚にし、アタックフェイズだ。

「<奇跡世代>。次のダメージはありません」

<カイム>の正面の<ゼロイゴナ>をエナに送りながら、ムラ選手は短く伝えた。

「アーツあと何枚ですか」とのしらかわさんの問いかけに、「2枚です」と答える。「きついな・・・」としらかわ選手は漏らすが、攻めを切らすわけにはいかない。
下敷きの<デマギア>の効果を得た<エノキアン>のアタックで、隣のシグニを溶かしつつ、正面のシグニをバニッシュする。続く<ゼロイゴナ>で残る1枚を貫通するも、ダメージは<奇跡世代>で消えていった。ルリグアタック。ムラさんはやや悩み、サーバントでのガードを選んだ。2ー0。
ムラ選手の手札は2枚。<デマギア>の効果で隣のシグニを溶かしたのは、次の攻めを緩めさせるプランだろう。この1ターンを耐えられれば、勝機は見える。そう信じて、祈るようにターンエンドを伝えた。

(下敷きを増やしたり、能力をコピーしたり。小回りの効く1枚だ)

ターンがムラ選手に戻る。

「チャージはなし。<炎翼の翔破>使いたいです」

レベル2の<カウ>をビートにし、1ドロー。ここでデッキが消え、リフレッシュだ。
1ー0。しらかわ選手のルリグデッキは、見えていない残り1枚のみ。決着はそう、遠くはない。

ムラ選手の手札から飛び出したのが、<コードVR 鈴鹿詩子>だ。
出現時効果で、デッキトップの4枚が公開される。広がった<ウゴバク><カイム><サーバント><カウ>を前に、ムラ選手が手を止め、悩む。<カイム>と<カウ>が手札に入り、相手のルリグトラッシュを見て、「ありがとうございます」と、何かを見切ったように伝えた。
まずは<カウ>。そして<カイム>でビートに送り、12000以下の<エノキアン>が焼かれる。2つのシグニゾーンが空いた眼前の光景を前に、「ああ」と、しらかわ選手が何かを悟ったような声を漏らした。
<シュブ>と<詩子>が、空いたシグニゾーンの前に揃う。アタックフェイズ。


(アンコール封じが<セレクト・ハッピー5>に強烈に突き刺さる)

しらかわ選手の手に握られたのは、<セレクト・ハッピー5>。
「あんこーるはおことわり」。タウィルのそんな声が、かすかに聞こえた気がした。

勝者 ムラ選手
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※カバレージは速報です。後日、画像を加えたり表記を調整したりすることがあります。