キーセレクションで長く女王として君臨していたルリグが「タマ」だ。
<プリキャス>を絡めた連続攻撃で、一度のアタックフェイズで4枚も5枚ものライフクロスを割る。今年の春頃までは、女王として君臨していたルリグである。
ただ、「ウリス」「ウムル」などの登場で、その天下にも陰りが見えてきた……、はずだった。

そんなタマを使って決勝戦まで勝ち上がってきたのが、わっく選手だ。
第3回世界王者であり、オールスターでは「ダッシュタマ」を、キーセレクションではスタンダードなタマを駆使し、数々のセレモニーで優勝の実績を獲得している。<プリキャス>一辺倒ではない攻めを駆使し、多くの対戦相手を沈めてきた。
そんな彼に対峙するのが、先ほどのカバレージにも登場したアサギ選手だ。使用するルリグは当然翠子。「いや、タマは……、不利なんですよね……」と、対戦前から苦笑い。じゃんけんにも敗北し、「負けた……!」と、がっくりとこうべを垂れた。
わっく選手は3枚、アサギ選手は1枚をマリガン。オープンの合図より前に、お互いのルリグをオープンしている。試合開始のコールが響いた。

アサギ選手(翠子)VSわっく選手(タマ)

(2弾環境かな?)

先攻のわっく選手はチャージを飛ばし、グロウ。レベル1でコインを得て、ターンエンド。
「やばい!お願い!」と、両手を眼前で合わせて、苦しそうな表情でアサギ選手に訴えた。「手札が悪かったら何にだって負けるんだよお!」と嘆いている。
普段から彼を見ている筆者だが、いつものことである。ここから立て直す実力は、十分に持っている。

後攻のアサギ選手はサーバントをエナに起き、グロウ。サーバントを切ってコインを得ると、サーバントと<モモイヌ>を立ててアタックだ。ライフからは<カマクラ><サンポケ>。ルリグのアタックも通ると、<ヨミフダ>だ。
「日頃の行いだなあ」と、わっく選手はため息を漏らした。4−7。

レベル2へグロウ。「コイン2枚」と勢い余ってコインを得ると、「まだレベル3じゃないですよ」とツッコミを食らっている。「申し訳ない」とぺこり。そこまで焦るほどの大事故なのだろうか。メインフェイズに入る。
とりあえず<スプリング>を場に出し、デッキトップと手札を入れ替えた。<サンポケ><ヨミフダ><スプリング>を揃えて、アタックフェイズ。
これが通ると、まずは<サンポケ>がアタックし、デッキトップのサーバントと入れ替わる。<ヨミフダ>が正面を飛ばし、<スプリング>と合わせて2点。ルリグアタックはガードされたものの、4−5と、ダメージレースで追いついた。
なんやかんやで、タマの序盤の理想盤面を作り上げている。レベル1で何も出さなかったのも、もしかしたら事故ではないのかもしれない。ターンエンド。

(序盤のアタッカー。サンポケなどの効果と合わせてバウンスを狙っていく)

アサギ選手がレベル2へグロウした。お決まりの<チアサシェキー>を貼ると、効果で<モモイヌ>を加えた。<モモイヌ><モモイヌ><モモザル>でアタックフェイズ。ランサーを持った1体の<モモイヌ>が<ヨミフダ>を貫くと、続くルリグアタックも通る。2−5と、一気に試合が進んでいく。
途中のライフバーストの1ドローで「カードが1枚引けた!」と大喜びしているわっく選手。悲惨な状況ではあるが、笑い飛ばせる肝の太さが彼の武器だ。強さの秘訣なのか、それともただの強がりか。

(モモイヌにランサーを付与したり、プロテインに耐性を持たせたり。仕事の多い1枚)

わっく選手が今度こそ、レベル3へグロウした。まずは<ゆきめキー>を展開し、<モモイヌ>をバウンスしつつ、デッキから<ヨミフダ>を加える。<スプリング>をリムーブすると、<ベッドメリー><ヨミフダ>をシグニの正面に配置。正面が空いたシグニゾーンに<サンポケ>を配置し、アタックだ。
一気に3点要求。遊具たちの容赦のない攻めが、立ち上がりの翠子を襲う。序盤の事故はどこへやら、だ。

「考えます」とアサギ選手は漏らし、そのまま「どうぞ」と通した。
<ベッドメリー>で正面をバニッシュ。<ヨミフダ>が正面を開けてアタックすると、バーストからは<イバラヒメ>が飛び出した。起き上がるつもりだった<ベッドメリー>がバニッシュされる。わっく選手は「うそでしょ」と苦笑しつつ、残る<サンポケ>で1点だ。ルリグはガード。2−3でターンを終えた。
「いやいやそれはやばいって」と咳き込みながら、的確なところで飛び出したライフバーストに苦笑いを浮かべるわっく選手。アサギ選手にターンが渡っても、崩れた表情が戻らない。

(レベル3のアタッカー。連パンでライフを削り取り、最後のプリキャスに繋げる)

翠子がレベル3にグロウする。1ドロー。<サシェキー>の起動効果で、次のターン以降に必要な<ネコムス>を加えていく。
そのまま<ケイローン><モモイヌ><モモザル>。配置を整え、アタックフェイズだ。ランサーを含む3点。「リーサルじゃん」と苦笑するわっく選手は、<ハッピー5>で中央の<モモイヌ>を止めた。
<ケイローン>が貫き、1ドローで1点。<モモサル>でさらに1点。ルリグアタックはガード。わっく選手のライフが、早々に尽きた。点数は0−3と、どんどん差が広がっていく。

とはいえ、<プリキャス>の恐怖を知らないセレクターは少ないだろう。アサギ選手のライフは、多いとはいえ3枚だ。タマを前にすれば、「たった」3枚になる。十分な敗北圏内。
ここからわっく選手が一気に畳み掛けていくのか、小刻みに防御を吐かせていくのか。<プリキャス>に限らない、タマが持つ緩急自在な攻めを使いこなす彼が、これからどんな動きを繰り広げていくのか。期待が止まらない。チャージを飛ばし、タマがレベル4にグロウだ。

まずは<ゲイン>の出現時で、デッキトップの3枚をチェック。手元に寄せた3枚をじっと見て、<モモザル>の前に<サンポケ>を置いた。残る2枚を整える。そして<ママキー>。仕込んだ1枚をライフクロスに置き、1ー3と、致死圏からはとりあえず脱出する。
そして<ゲイン>をリムーブし、あの<プリキャス>が登場だ。<サンポケ><サンポケ><プリキャス>でアタックフェイズ。1枚で一気にリーサルにつながりかねない<プリキャス>が、まずはお手並み拝見と言わんばかりに、防御札を要求する。


(シグニが入れ替わるタマにはあまり効き目のない1枚。といってもシンプルな2面防御は強力)

アサギ選手も「考えます」と応じた。ライフは3枚あるが、<暴風警報>を唱えた。連続攻撃を要するタマには、やや効き目の薄い1枚だが、ここで切る選択肢を選んだ。「<暴風>で以上ですか?」とわっく選手が確認すると、アサギ選手がこくりと頷く。シグニアタックのアクションに移った。
<プリキャス>のアタックは<暴風>に阻まれるも、<サンポケ>が手札に戻り、別の<サンポケ>が手札から飛び出した。その<サンポケ>がデッキの<ユキソリ>と入れ替わる。<ユキソリ>は<暴風>で止まった。そして、残る<サンポケ>がデッキトップの<カマクラ>と入れ替わり、<モモザル>をバニッシュ。ルリグアタックがガードされ、1−3だ。ターンエンド。
まずは<暴風>を揺すった形だ。とはいえその要求は、レベル4へのグロウと共になかったことにはなるが。

アサギ選手が4へグロウ。いつものように<暴風>を回収だ。
そして<プロテイン>で<イバラヒメ>を回収し、コイン技の「テンタクル」を発動。リムーブで盤面を整え、<イバラヒメ><イバラヒメ><ケイローン>というお決まりの盤面で、アタックフェイズに移行した。<迷路>2枚を<ケイローン>に2、<プリキャス>以外をエナ送りだ。
わっく選手は<ハッピー5>で<ケイローン>を止め、防御を終えた。<イバラヒメ>のアタックでライフクロスから見えたのは、先ほど仕込んだ<プリキャス>。残る<イバラヒメ>のアタックを止め、ルリグアタックはガード。0−3でエンド。

わっく選手にターンが帰る。「エナがねえ」と漏らすアサギ選手。キーも<チアサシェキー>のみで、防御が薄い盤面ができてしまった。とはいえ「テンタクル」が適応されたターン。<ハッピー5>を絡めれば、遊具たちの入れ替わりも止められる状況ではある。もちろん、わっく選手がそれを知らないわけはないが。
<ユキソリ>でデッキトップを整える。そして<ケロパッチン>で<プリキャス>をデッキトップに置きながら、<イバラヒメ>をバウンスした。シグニをリムーブし、<カマクラ><サンポケ><パックンチョ>を展開。コイン2枚で<ドーナキー>をアンロックすると、<パックンチョ>にバニッシュ耐性を付与して、アタックフェイズだ。見え見えの<プリキャス>が、デッキトップで今か今かと出番を待っている。


(恐怖の象徴)

「テンタクル」
「イノセンス」

テンタクルの対象に取るシグニを選ぶまでもない。
短いやり取りが交わされ、アサギ選手が手を止めた。

複数のアクションを要求されている。取り急ぎ<ハッピー5>。<チアサシェキー>を吐きながら、しかし再び手を止めた。対象に取るべきシグニを、じっくりと考えているのだろう。どこを止めても、何かが起こるのは明白。しかし「トラッシュ回収で」と苦笑しながら、ガードに必要なサーバントを加えた。
続けて「考えますね」と漏らした。エナはマルチエナ1枚ゆえに、<暴風警報>は発動できない。選択肢は、<ハッピー5>を打ち切り、バニッシュ耐性を持つ<パックンチョ>を止めるのみだった。遊具のシグニが動き出す。

まずは<サンポケ>でライフを破る。<カマクラ>が入れ替わり、<プリキャス>が登場。正面のシグニをバニッシュしながら、遊具のシグニを全面アップ。そして<プリキャス>がアタック。<ハッピー5>に絡まった<パックンチョ>を手札に戻すと、再び<パックンチョ>が登場だ。ライフバーストは残り1枚。
起き上がった<サンポケ>がアタック。手札に戻り、デッキトップから<パックンチョ>を連れてくる。ライフバーストは<プロテイン>。<プリキャス>を除去しようと手をかけかけたが、アサギ選手は慌てて、1ドローを選び直した。わっく選手は最後の<パックンチョ>でアタックせず、タマのルリグアタックを選ぶ。ガード。0−0と一気に追いついた。

猛攻をしのぎ、なんとかターンを迎えたアサギ選手。まずは<はなみどキー>を展開し、<プリキャス>をエナに送ると、<イバラヒメ><イバラヒメ><ケイローン>でアタックフェイズだ。<迷路>2枚が、残る<パックンチョ>をエナに送る。
返す刀でわっく選手は、<ドーナキー>のエクシード4を発動。シグニアタックを飛ばし、ルリグはガード。0−0でターンが渡った。

(アイドルディフェンスに相当する防御、バニッシュ耐性、サーチと、強力なスペックを誇る)

わっく選手のデッキは残り4枚。アサギ選手には<はなみどキー>のエクシード2回分と、回収した<暴風警報>があるため、このターンではきちんと守ることができるはず。わっく選手にとっては要求を和らげつつ、しかし多くの防御を吐かせたいターンだ。
まずは<ゲイン>でデッキトップを見て、場には出さずに順番を入れ替える。そして<カマクラ>を2枚立て、アタックフェイズだ。「考えます」と伝え、手を止めた。

まずは<はなみどキー>のエクシードで<カマクラ>を焼く。それをもう一度。残る<ゲイン>には、2エナの<暴風警報>で応じた。わっく選手は静かに、<ゲイン>とタマを横にする。タマのアタック時の効果で見えたデッキトップは<パックンチョ>。アサギ選手のトラッシュを確認し、手札に加えてターンエンド。0−0。

アサギ選手は<イバラヒメ>をエナチャージ。盤面を全てリムーブし、中央に<プロテイン>を置いた。
そしてエナから<カルシ>を加えると、<モモサル>で入れ替え、アタックフェイズ。パワーが上がった<カルシ>には、バウンスバニッシュ耐性がついた。
わっく選手淡々と<ハッピー5>でサーバントを拾うと、<ブリーディング・フォース>で応じた。<カルシ>をトラッシュに送り、<プロテイン>をバウンス。残る<モモザル>は<ハッピー5>で止め、ルリグは止めてエンドだ。

防御が尽きた。<ケロパッチン>で<ゲイン>をデッキトップに戻し、<プリキャス><サンポケ>でアタックフェイズ。
アサギ選手は「負けですね」と短く応じ、「これは無理だ」と苦笑いを浮かべるしかなかった。

勝者 わっく選手

デッキレシピ