アタックフェイズで使える緑のアーツのうち、ルリグコモン(ST含む)を紹介する。《付洋雷同》《守破離》《剣戟森森》《明窓浄机》《日常茶飯》《飛花落葉》《出張!百夜堂 海の家FC計画》《アビドスの夏休み》を解説している。
また、1体のシグニやルリグのアタックを止めることを「1面防御」と呼ぶ。2体であれば「2面防御」になる。
付洋雷同

色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1
対戦相手のパワー8000以下のシグニ1体を対象とし、それをエナゾーンに置く。
《リコレクト4枚以上》代わりに対戦相手のシグニ1体を対象とし、それをエナゾーンに置く。
(あなたのルリグトラッシュに4枚以上のアーツがあるかぎり《リコレクト4枚以上》に続く文章が有効になる)
収録:GREEN ALT WANNA(WX24-D4-07)
緑の1面防御アーツ。パワー8000以下のシグニ1体をエナゾーンに置け、リコレクト4を達成していれば、パワーの上限が無くなる。
緑の防御アーツの多くが「パワー◯◯◯◯以上」であるが、このカードは以下である点が優秀。フレーバーテキストの「小さいほど損をする」の文字通り、緑では貴重な、パワーの率いシグニから身を守れるアーツだ。
パワー8000以下は標準的で、レベル2までのシグニはほとんどエナに置ける。「エナゾーンに置く」なのでバニッシュ耐性を貫通できる点が嬉しい。リコレクトを達成するとパワーの上限がなくなるため、非常に使いやすい。
防御面数は1面だが、緑では唯一無二の役割を持つカードなので、出番は多いだろう。
読みは「ビガーウェーブ」で、四字熟語「付和雷同」を洋風にしたものだ。
「付和雷同」とは、自分に意見がなく、むやみに他人の意見に同調するさまの四字熟語。
守破離
色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1《無》×2
対戦相手のルリグとシグニを合計2体まで対象とし、このターン、それらがそれぞれ次にアタックしたとき、そのアタックを無効にする。
収録:GREEN ALT WANNA(WX24-D4-08)
WIXOSS PARTY 2025年2月上位賞(SPDi37-10)
緑の大型防御アーツ。相手のルリグとシグニを合計2体対象とし、それらの次のアタックを無効にする。
緑によくあるアタック無効アーツで、《加持祈禱》と異なり、無効にするシグニやルリグを選べるのが魅力。無効にするシグニにパワーの上限などはなく、能力を付与するわけでもないので、ほぼ確実にアタックを無効にできるのが優秀だ。エナコストも3とやや軽く、使い勝手は良い。
他のアタック無効アーツと同様、アタックそのものは許してしまう点に気をつけよう。「アタックしたとき」に発動する能力は使われてしまう。どのシグニやルリグのアタックを無効にするかはよく考えたい。
《剣戟森森》などでバニッシュできないシグニをこちらで止め、残りは《剣戟森森》でバニッシュするなど、他のアーツとの同時使用もおすすめだ。
読みは「ノーウィンド」。
「守破離」とは日本の芸道や武道の師弟関係のあり方の一つで、修行の過程を示したもの。
「守」は師の教えを守ること。「破」は自分で考えること。「離」は自分のやり方や方法を確立すること。カードゲームやデッキ構築にも通ずるものがある。
剣戟森森

色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1
対戦相手のパワー12000以上のシグニ1体を対象とし、それをバニッシュする。
収録:RECOLLECT SELECTOR(WX24-P1-027)
パワー12000以上のシグニ1体をバニッシュできる。12000はレベル3の最上級のパワーラインで、相手のエース級のシグニであることが多い。それらを緑1エナでバニッシュできるのは非常にコスパがよい。リコレクトなどの条件がないのも嬉しい。
しかしパワーが12000未満のシグニのアタックは一切止められない。相手がこのアーツを読み、パワー12000のシグニのみで攻めてくると、何もできない。パワー12000未満のシグニのみを用意するのは、レベル1や2のシグニを並べればよいだけなので、あっさり貫通されることもある。《温故知新》など他の緑アーツにも言えることだが、アーツを使うタイミングには気をつけよう。
同じ1面防御なら、パワー8000以下を除去でき、他のアーツと防御範囲を相互に補完し合える《付洋雷同》が強力なライバルだ。リコレクトの有無などで差別化していこう。
「剣戟森森」は「けんげきしんしん」と読む。恐ろしくなるような厳しく激しい性格で、「剣戟」は剣と矛、「森森」は数多く並んでいる様子を表す。多くの武器が並ぶ様子を正確に例えた言葉だ。読みは「デュエルソード」。
明窓浄机

色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1《無》×3
あなたのトラッシュにあるすべてのカードをデッキに加えてシャッフルし、デッキの一番上のカードをライフクロスに加える。
収録:loth SELECTOR(WX24-P2-038)
トラッシュをデッキに加えてシャッフルし、ライフクロスを1枚増やせるアーツ。
リフレッシュ回避ができるアーツは《落葉帰根》や《欣喜雀躍》などがあるが、こちらはアタックフェイズ中にライフクロスを増やせる点が優秀。埋まったライフクロスが《TROUBLE》などの2面防御のライフバーストを持っていれば、ライフクロスを回復した分を含め、これ1枚で3面防御につながる。そうでなくともライフバースト次第で、大きなリターンを得られるだろう。
リフレッシュ回避に関するメリットは他の2枚と同じ。アタックフェイズにしか使えないため、相手のメインフェイズ中のデッキ破壊に弱いのはネックだが、《ドラゴンメイド》などアタック時のデッキ破壊やリフレッシュに対しては強い。
一見優秀だが、コストは4エナとなかなか重く、埋まったカードにライフバーストがなければ、ただの1面防御にしかならない。リフレッシュ回避や、増えたライフクロスがエナに行くことで1エナ増える点を加味しても、やはりライフバーストが発動しなければリターンは少ない。
同じ4エナなら《今昔之感》が確実に3エナ守れる。エナコストの色やリコレクトの有無などは異なるとはいえ、あちらを差し置いての採用は難しいか。
それでも唯一無二の挙動をする防御アーツなので、環境やデッキによっては採用が検討できる。存在は覚えておくといいだろう。
読みは「クリーンナップ」。
本来の「明窓浄机」は「めいそうじょうき」と読む。明るい窓ときれいな机の意から、明るく清潔で、勉強や読書に適した書斎を例えた四字熟語。
日常茶飯

色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1
以下の2つから1つを選ぶ。
①このターン、次にあなたがダメージを受ける場合、代わりにダメージを受けない。
②あなたのライフクロスが0枚の場合、あなたのデッキをシャッフルし一番上のカードをライフクロスに加える。
収録:REVERSAL SELECTOR(WX24-P3-038)
シンプルな1面防御アーツ。
①のモードでは、次のダメージを無効にできる。ルリグでもシグニでもよく、使えば1面守れる。【ランサー】はダメージではないので注意しよう。
②はライフクロスがなければ、デッキをシャッフルし1番上をライフクロスに加えられる。これまた《TROUBLE》などの2面防御を持つライフバーストが埋まれば、1枚で3面守れる非常に優秀なアーツになる。《明窓浄机》と異なりトラッシュをデッキに加えないため、デッキの枚数を少なくし、それらの中身をライフバーストを持つカードばかりにしておけば、生き延びる可能性はある。
それでも②のモードを使う時は非常にピンチなので、他のアーツと組み合わせて確実に身を守りたい。ライフクロスが0枚のときにこのカードのみで天に祈るのは、本当に崖っぷちなので心から祈ろう。
1面防御なら《付洋雷同》などもあるので、それらを差し置いてこのカードを採用する理由はあまりないだろう。
読みは「リラックスルーティン」。
「にちじょうさはん」は普段の食事のこと。そこから転じて、日常のありふれたこと、いつものことを指す。「日常茶飯事」のほうが親しみがあるだろう。
飛花落葉

色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1
以下の2つから1つを選ぶ。
①対戦相手のシグニ1体を対象とし、このターン、次にそれがアタックしたとき、そのアタックを無効にする。
②対戦相手の青か黒のシグニ1体を対象とし、それをエナゾーンに置く。
収録:FORTH SELECTOR(WX24-P4-033)
青の1面防御アーツで、2つのモードを持つ。
①では相手のルリグかシグニを1体ダウンできる。ルリグもダウンできるのが優秀で、強烈なルリグアタックを得意とする相手に対して有効だ。《ドント・ムーブ・オン》よりエナコストが軽く使い勝手が良いが、《アイス・アロー》と異なりシグニを除去できないので気をつけよう。
②のモードが本命で、相手の赤か緑のシグニをデッキの一番下緑の1面防御アーツで、2つのモードを持つ。
①では相手のシグニ1体のアタックを無効にできる。小さくなったシグニ限定の《守破離》で、小回りが非常に良い。アタックを許す点などの弱点も同じだ。
②では相手の青か黒のシグニをエナゾーンに置ける。
こちらはリコレクトを達成した《付洋雷同》で、色さえあっていればあっさり除去できるのが優秀。アタックを許すと、青は手札破壊、黒はデッキ破壊などを仕掛けてくるものが多いため、それらのアタックを封じられるのはポイントだ。
ただ、緑にはライバルのアーツが数多い。アタック無効は《加持祈祷》や《守破離》が、除去は《付洋雷同》や《温故知新》などもあるので、それらを押しのけてこのカードを採用する余裕はあまりないか。
メタ次第、特に《羅原姫 H2O》の流行次第では出番が来るかもしれない。
読みは「サーフィングファン」。アンが扇に乗って飛んでいる。
「飛花落葉」は「ひからくよう」と読む。春に咲く花も風に吹かれて散り、青葉もやがて枯れて落ちることから、絶えず移り変わるこの世の無常さを例えたもの。
出張!百夜堂 海の家FC計画

色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1
以下の2つから1つを選ぶ。
①対戦相手のルリグかシグニ1体を対象とし、このターン、次にそれがアタックしたとき、そのアタックを無効にする。
②対戦相手のルリグとシグニを合計2体まで対象とし、あなたのエナゾーンから<ブルアカ>のカード2枚をトラッシュに置いてもよい。そうした場合、このターン、それらがそれぞれ次にアタックしたとき、そのアタックを無効にする。
収録:ブルーアーカイブ SELECTOR(WX25-CP1-030)
<ブルアカ>向けの防御アーツ。1エナで1面防御ができ、追加で<ブルアカ>のカードをエナから2枚トラッシュに置くことで2面防御となり、《守破離》として運用できる。
《隠されし遺産を求めて》などと同様、ブルアカの可変防御アーツ。1エナで1面、3エナで2面の防御ができ、それらを1枚で使い分けられる点が優秀だ。アタックの無効なのでアタック時の能力が発動する、という点は何度も書いている通り。
緑の<ブルアカ>のシグニはエナを伸ばすものが多いため、基本的に②のモードで使ってもいいだろう。エナの消費が激しいデッキを使う場合は①でも良い。
アビドスの夏休み

色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×1
対戦相手のパワー8000以下のシグニ1体を対象とし、それをエナゾーンに置く。
《リコレクト4枚以上》代わりに対戦相手のシグニ1体を対象とし、それをエナゾーンに置く。
(あなたのルリグトラッシュに4枚以上のアーツがあるかぎり《リコレクト4枚以上》に続く文章が有効になる)
収録:構築済みデッキ ブルーアーカイブ(WX25-CD1-10)
《付洋雷同》と一言一句違わない能力を持つアーツ。構築済みデッキに収録されており、ブルアカでは緑のみがこのアーツを持っている。
ウィクロスでは、同じ名前のカードをルリグデッキに1枚までしか入れられないルールになっている。しかし《付洋雷同》と《アビドスの夏休み》は別の名前のカードなので、同じ効果だが同時に採用できる。
となれば、《付洋雷同》を2回使いたい場合に採用することになる。1枚は序盤に、1枚はリコレクト達成後に発動すると役割を分けられるし、リコレクトを達成してから2枚使うのも優秀だ。何より、《付洋雷同》を使っておけば、同じアーツが飛んでくることはまずないので、相手の虚をつける。
イレギュラーな存在ゆえ、特殊な使い方があるアーツと言えよう。
ブルアカ限定大会でももちろん使える。