概要
ここでは「PRIMAL SELECTOR」で登場した、アタックフェイズに発動できるアーツ(《シャボン・リフレクション》《条炎反射》《ビッグ・キャット》《千里同風》《アンシエント・スラッシュ》)の5枚を紹介する。
各色に1枚ずつ存在する防御アーツ。エナコストは全て0で、特定のエナコストを支払うことで追加の効果を使える「ブースト」というキーワードを擁している。
共通点

最大の強みは0エナで使えること。エナ破壊をされたうえでも防御できるのが非常に嬉しく、ブーストせずとも1面防御は可能なので、腐るタイミングがほとんどない。とにかく小回りの利く、優秀なアーツ群だ。0エナの防御アーツは種類が非常に少なく、他には《スリップ・ストップ》くらいだ。
このアーツ群は色を持っているため、《加持祈禱》などのウィッシュアーツのコスト軽減に使える点も見逃せない。ルリグデッキの消費枚数は増えるが、コストを軽減したウィッシュアーツとブーストアーツを重ねて使うことで、エナ破壊などからも身を守れるのは嬉しい。
《炎剣之舞》などのエナ破壊が飛び交う環境では特に出番が多いだろう。もちろん、ターンをまたいで使っても便利。
ブーストで得られる効果はアーツによって様々。エナを支払うかどうかも戦況によって選べるため、戦略の幅を広げられる便利なモードと言えるだろう。効果そのものが書き換わる「リコレクト」とは異なり、ブーストは書かれている効果全てが有効になるので、勘違いしないように。
0エナでも使えるアーツだからか、相手のシグニを除去し、防御と反撃を両立させるのは苦手。《シャイニング・ソード》や《アンチ・スフィア》のような防御と除去を同時に行える軽量アーツと比べると、返しのターンに相手のシグニを除去する必要がある点は気になるところ。そこは割り切って、「0エナで身を守れる」ことを最大のメリットとして採用するといいだろう。
特にエナ破壊が飛び交う環境だと、かなりの確率でお呼びがかかることになるアーツ群といえる。
引っ張りだこな環境と出番がない環境で評価が大きく上下とはいえ、お守りとして持っておいて損はないアーツたちだ。
シャボン・リフレクション
色:白
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《白》×0
ブースト―《白》《無》《無》(このアーツを使用する際、使用コストとして追加で《白》《無》《無》を支払ってもよい)
対戦相手のシグニ1体を対象とし、ターン終了時まで、それは能力を失う。あなたがブーストしていた場合、それを手札に戻す。
収録:PRIMAL SELECTOR(WX25-P1-002)
白のブーストアーツ。0エナでシグニ1体の能力を失わせ、ブーストしているとさらにそれを手札に戻す。ブーストのエナコストは白1無色2。
0エナで使うとシグニの能力を消せる。【ランサー】や【アサシン】、アタックしたときに発動するシグニの能力を消すことで身を守ることができる。緑や赤にはこれらの能力が多いほか、《ボールペンマワシ》などアタック時の除去ができるシグニに対して有効だ。メインフェイズやアタックフェイズ開始時に、自分の全てのシグニが除去されると、能力を失わせても意味がないので、その場合はブーストして防御しよう。ブーストすると能力を失わせたシグニを手札に戻すことができる。このアーツ群では珍しい除去効果なので、エナに余裕があるなら使っていきたい。
能力を失わせるシグニと、ブーストによって手札に戻すシグニは、別々のシグニを選ぶことができない点が気になる。後半になればなるほど硬いシグニが増える白デッキは序盤のうちに身を守りたいことが多く、特に速攻系のデッキに対しては早めにアーツを使って、ライフクロスを残してグロウしたいことが多い。しかし序盤の攻防では、5ルック2回収アーツなどでシグニが除去されることが多く、ブーストをしなければ守れないため、デッキの動きとこのアーツの性能が噛み合わないことも少なくない。
ただ、アーツでライフクロスをクラッシュして一気に攻めるデッキは、緑シグニの【ランサー】を使うことも多いため、全く出番がないということもない。環境やデッキのシグニの性能によって、採用の可否を決めていこう。
条炎反射
色:赤
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《赤》×0
ブースト―《赤》《無》《無》《無》(このアーツを使用する際、使用コストとして追加で《赤》《無》《無》《無》を支払ってもよい)
このターン、次に対戦相手のルリグによってあなたのライフクロス1枚がクラッシュされたとき、対戦相手のライフクロス1枚をクラッシュする。あなたがブーストしていた場合、このターン、次に対戦相手のシグニによってあなたのライフクロス1枚がクラッシュされたとき、対戦相手のライフクロス1枚をクラッシュする。
収録:PRIMAL SELECTOR(WX25-P1-004)
赤のブーストアーツ。次に相手のルリグによってライフクロス1枚がクラッシュされると、相手のライフクロスを1枚クラッシュする。ブーストすると、相手のシグニ1体に対しても同じことができる。ブーストのコストは赤1無色3とやや重い。
ブーストしてもしなくても、相手にアタックをためわせることができる。相手がライフクロスクラッシュを恐れてアタックしなければ防御になるし、ライフクロスを犠牲にしながらアタックしてくると、こちらの反撃が更に強力になる。赤デッキは火力が高く、アーツなどでライフクロスをクラッシュすることも得意なので、相手がライフクロスを犠牲に突っ込んでくると、次のターンに一気に勝利を狙うこともできるだろう。
言うまでもなく防御が相手の行動に依存するので、確実に身を守れるかはわからない。状況によっては相手がライフクロスを差し出してゲームターンを短くするし、《条炎反射》側のライフクロスが少ないと、無理矢理突っ込んで勝ちをねらってくることもあるだろう。「対戦相手のライフクロスをクラッシュする」ため、相手のライフクロスが0枚であれば防御にならない。可能な限り早めに使っておきたいが、ブーストのコストが4エナと重いのも気になるところだ。
総じて非常に玄人向けなアーツであり、防御として素直に換算しづらい1枚。【花代爾転】などルリグデッキに余裕があるデッキで採用したり、《熱願成就》と両方採用して、腐った場合はあちらのエナ軽減のコストにするなどの工夫をしていこう。《トライアングル/メイデン イオナ》のゲーム1能力など、強制攻撃とのコンボをねらってみても面白いか。
ビッグ・キャット
色:青
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《青》×0
ブースト―《青》《無》(このアーツを使用する際、使用コストとして追加で《青》《無》を支払ってもよい)
対戦相手のパワー10000以下のシグニ1体を対象とし、それをダウンする。あなたがブーストしていた場合、カードを4枚引き、手札を2枚捨てる。
収録:PRIMAL SELECTOR(WX25-P1-006)
青のブーストアーツ。相手のパワー10000以下のシグニ1体をダウンさせる。ブーストすると4枚ドローし、手札を2枚捨てられる。ブーストのコストは青1無色1。
シンプルな1面防御アーツ。パワー10000以下という成約こそあるが、ほとんどのレベル2以下シグニと、一部のレベル3シグニをダウンさせられるため、非常に腐りにくい。《アズール・ウィッシュ》と組み合わせると、相手のシグニのパワー次第だが0エナで3面防御もできるため、エナ破壊が飛び交う中で青デッキを使う際は、心強い味方になってくれるだろう。
ブーストすると手札補充ができる。このドローで《サーバント #》をドローできれば2面防御になるし、そうでなくても次のターンの反撃につなげられる。ブーストのコストも軽く、序盤からでも使いやすいのは嬉しい。せっかく手札を増やしても、《フンスイショー》などアタックした時にハンデスするシグニがいると意味がないので、使うタイミングを間違えないようにしたい。
《アイス・アロー》と異なりシグニの除去はできず、パワーが10000より多いシグニが揃うと貫通されるのが弱点。ルリグはダウンできないため、そこは他のアーツに任せたい。言うまでもなくダウン耐性は天敵だ。それでも青アーツでは優秀な1面防御アーツであり、上記のように《アズール・ウィッシュ》と組み合わせたり、青を少量採用するデッキに採用しても面白い。レベル1などの最序盤ではまず腐らないので、速攻系が相手の場合はためらいなく使ってもいいだろう。
ミルルンと一緒にいる黒猫が巨大化。この猫は「ミルルンネコ」といい、オールスターのアーツ《スティール・スペル・ラン》ではフレーバーテキストとしても登場している。
千里同風
色:緑
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《緑》×0
ブースト―《緑》《無》《無》(このアーツを使用する際、使用コストとして追加で《緑》《無》《無》を支払ってもよい)
このターン、次にあなたがルリグによってダメージを受ける場合、代わりにダメージを受けない。あなたがブーストしていた場合、このターン、次にあなたがシグニによってダメージを受ける場合、代わりにダメージを受けない。
収録:PRIMAL SELECTOR(WX25-P1-008)
緑のブーストアーツ。次にルリグによって受けるダメージを1度無効にでき、ブーストすると次にシグニによって受けるダメージを無効にできる。ブーストのコストは緑1無色2。
こちらもシンプルな1面防御アーツ。サーバントの少ないディーセレではルリグダメージを防ぐのは難しく、サーバントが無い時に使えばきっちり身を守れる。パワー上昇が得意な緑はシグニからの被弾は減らせるが、ルリグアタックは通してしまいがちなので、多くのデッキと相性が良い。
ブーストするとシグニのダメージも1度防げる。ブーストのコストは3エナとやや重いが、《守破離》と同性能と捉えるとちょうどよい。《守破離》と違い「次に受けるシグニ(ルリグ)のダメージ」と指定があるためやや柔軟性に欠けるが、ブーストの有無で防御面数を調整できる点では、小回りを利かせられるアーツと言っていいだろう。エナ破壊が飛び交う中で使うなど、ブーストならではの役割を期待したい。
他の緑のアーツと同様、ルリグやシグニのアタックは許すため、「アタックしたとき〜」の能力が発動する。【ランサー】などは防げない点も同じ。
読みは「ウィンドブースター」。「千里同風」は「せんりどうふう」と読み、「千里先の遠方でも、ここと同じ風が吹く」という意味。そこから転じて天下泰平であることや、逆に国全体が混乱していることを表す。類語に「万里同風」も。
アンシエント・スラッシュ
色:黒
使用タイミング:アタックフェイズ
コスト:《黒》×0
ブースト―《黒》《無》(このアーツを使用する際、使用コストとして追加で《黒》《無》を支払ってもよい)
このターン、次にあなたがシグニによってダメージを受ける場合、代わりにあなたのデッキの上からカードを3枚トラッシュに置く。あなたがブーストしていた場合、対戦相手のデッキの上からカードを8枚トラッシュに置く。
収録:PRIMAL SELECTOR(WX25-P1-010)
黒のブーストアーツ。次にシグニによってダメージを受ける際、その代わりに自分のデッキの上から3枚をトラッシュに置ける。ブーストすると、相手のデッキから8枚をトラッシュに置ける。ブーストのコストは黒1無色1。
シンプルな1面防御アーツで、シグニのダメージから1度身を守れる。自分のデッキが2枚以下であれば身を守れないが、デッキが多い序盤から中盤に使えば全く問題ない。それ以外に何の制約もないため、困った時に速やかに使おう。
ブーストすると相手のデッキの上から8枚をトラッシュに置ける。8枚送りは《ダーク・マイアズマ》に迫る枚数で、デッキ破壊をさほどしないデッキでも、使っておけばゲーム中のリフレッシュが狙えるだろう。《ダーク・マイアズマ》と併用すればルリグデッキで18枚のデッキ破壊が可能となり、18枚落とせばほぼ確実にリフレッシュができるので、併用もオススメだ。
《シャボン・リフレクション》と同じく1面防御しかできないので、相手の猛攻に耐えられないのが弱点。また黒の防御アーツにありがちだがルリグアタックは止められないため、サーバントの確保に難儀する点は変わりない。《サウザンドアイ・パニッシュ》などのように除去もできないので、メインデッキの火力が乏しいデッキだと、反撃に苦労することもある。デッキの除去性能との釣り合いを見ながら採用を検討しよう。
ブーストして使用した場合、相手のデッキ破壊は相手からダメージを受ける時ではなく、このアーツを使用した時に行う。自分のアタックフェイズにブーストして使って相手のデッキを削り、リフレッシュでライフクロスを減らす、なんてことも可能なので、頭の隅に入れておくといいかもしれない。