08/11 ホビーステーション川崎店
WIXOSS TEAM BATTLE 絆 準決勝

Youtubeチャンネル「週間エモ太郎」が開設されてから、数ヶ月が経った。
ウィクロスの対戦を解説を交えながらテンポよく紹介する動画は、チャンネル主たちの熱心な宣伝もあり、多くのプレイヤーに知られるようになった。

これからカバレージに登場するのは、「エモ太郎の中の人」の1人こと、シロネコ選手だ。
「アフリカウリス」や「匠ウリス」、「過激派エマ」など、「使いやすくて強い、しかも安い」デッキを、次々と世に放ってきた。特に「アフリカウリス」は、昨今のキーセレクションのウリス環境を作った張本人だ。「安くて強い、しかもわかりやすい」デッキは、瞬く間に人気を集め、多くのプレイヤーが握るようになった。
果たしてその「生みの親」が使うウリスは、どのような動きを見せるのだろう。その模様を、じっくりとお届けする。

ウリス環境を象徴するかのように、準決勝のひとつでミラーマッチが展開されることとなった。

シロネコ選手(ウリス)VSあんしゃ選手(ウリス)

そんな「アフリカの救世主」ことシロネコ選手に対峙するのはあんしゃ選手。ここ「ホビーステーション川崎店」の過去のセレモニーでは、夢限デッキで2度、優勝の栄冠を勝ち取っている。

今回は相棒の夢限ではなく、ウリスでアフリカの王と対峙することとなった。

「てらたかー!おねがいー!ねー!」

王だか救世主だかわからなくなってきたが、シロネコ選手は対戦相手のチームメンバーに、何やら懇願していた。
「セレモニー準決勝」という、多くの人が緊張で口数を減らす舞台で、彼はいつもの陽気さを失わない。幾度となくこの場に立っているからこその、余裕からなのだろうか。

賑やかな雰囲気はそのままに、試合が始まった。
先攻はあんしゃ選手。レベル1グロウと同時に得たコインで<ハナレキー>を発動。下級シグニを2枚加え、<ガルグ><ベビドラ>を立ててターンを渡した。


(ウリスデッキの強さの根源)

対するシロネコ選手は、試合開始と同時に陽気さをひそめていた。
グロウしコインを入手。<ガルグ>を場に出し<ハナレキー>を展開、<ベビドラ><ボラゴ>を回収した。
そのまま<ハナレキー>で<ガルグ>を焼き、アタックへ。シグニの2点を通し、ターンを渡した。7−5。

「いや、これつらい。つらい」と冴えない表情のあんしゃ選手。
エナチャージからレベル2へ。こちらも<ハナレキー>で盤面を溶かし、<ガルグ><スワード>を立ててアタックへ。
空いた2面を割ると、ライフクロスの2枚目から<シファル>が飛び出した。シロネコ選手は間髪入れず、<アン=ミラ><ベルゼブブ>の上級シグニを回収。ルリグをガードして、5点でターンエンドを迎えた。5−5。


(あまり場に立つ姿を見たことがない、気がする。LBが強力)

レベル2へのグロウで、しばし考えたシロネコ選手。グロウ後は、<スワード><インプ>などのシグニを場に置き、<ハナレキー>で1面除去。そのまま「アタック」と、両手のひらをあんしゃ選手に向け、アタックフェイズに移った。
あんしゃ選手は1面のみの要求を通す。ライフクロスはサーバント回収。ルリグアタックをそのままガードし、4点でターンを迎えた。5−4。

静かな序盤が続く。あんしゃ選手のレベル3ルリグのリミットは6だ。
<スワード><ベビドラ>という高パワーシグニを場に従えたあんしゃ選手が先に動いた。まずは<ブラック・ドラゴン・ウェーブ>でシロネコ選手のシグニを全て吹き飛ばす。続けて、<ハッピー5>でトラッシュからサーバントを拾い、アタックフェイズへ。序盤の均衡が破れた。
対するシロネコ選手。ルリグデッキの<サーベイジ・イリュージョン>に手をかけるも、「まあ、そうだよね」とその手を下ろした。あんしゃ選手の場には、キーカードがない。<ハッピー5>でサーバントを回収する際に、アンコールコストでルリグトラッシュに送っていた。相手の場にキーカードがないと、<サーベイジ>の火力は半減する。防御を見越した動きだ。
仕方なく、<ハッピー5>でシグニのアタックを1面止めることでしのいだ。残りの2面とルリグアタックを受け、シロネコ選手のライフは一気に2枚に落ち込んだ。2−4。


(超強力なスペル。ウリスミラーでは、このカードを何度使えるかが勝負を分ける、という)

シロネコ選手もレベル3へグロウ。こちらもリミットは6だ。
<ガルグ>でドローし、お返しと言わんばかりに<ブラック・ドラゴン・ウェーブ>を打ち込む。あんしゃ選手のシグニを全て吹き飛ばし、<ガルグ><ベルゼブブ>でアタックフェイズへ入った。
シロネコ選手のキーカードは、先ほどのターンの<ハッピー5>のアンコールコストでルリグトラッシュに送っている。同じく<サーベイジ>をケアした立ち回りだ。あんしゃ選手はこの要求を通し、ライフクロスに祈るも、何も起こらず3点を受ける羽目に。ルリグアタックはを防ぎ、残り1点で踏みとどまった。2−1。

攻防はレベル4へ移る。

あんしゃ選手がレベル4へグロウ。<アン=ミラ><シファル>を回収し、トラッシュをにらんだ。
ウリスの起動効果でシロネコ選手のエナを焼かせ、<華代キー>を展開。<ベルゼブブ>を除去すると、トラッシュから<マーリン>を蘇生させた。<ベルゼブブ><スワード>を場に添えて、ガラ空きになったシロネコ選手に、アタックフェイズを突きつけた。
「<サーベイジ>はくるよな」とぼやいたあんしゃ選手の通り、そのカードがシロネコ選手のルリグデッキから飛び出す。<ベルゼブブ>を溶かし、<スワード>の正面にシロネコ選手が<ベルゼブブ>を呼び出した。あんしゃ選手のアタックは、<マーリン>の1点のみにとどまった。ルリグは止まり、ライフクロスは1点となった。1−1。

シロネコ選手の反撃が始まった。
4グロウで回収したのは、2枚の<アン=ミラ>。1枚目の<アン=ミラ>の効果は使わず、2枚目で<ガルグ>を蘇生。その<ガルグ>の効果で、1枚捨てて1ドロー。2枚の手札で、マイナス24000を振りまいた。あんしゃ選手の全てのシグニを溶かすと、さりげなく<ピルルクキー>を展開。静かに「アタックフェイズ」と手を差し出す。
前のターンを習うかのように、あんしゃ選手も<サーベイジ>を発動。<ガルグ>を溶かし、<アン=ミラ>の前に<シファル>を呼び出した。


(相手の場にキーカードがあると、パワーマイナスに加えて蘇生が可能に。発動タイミングが肝)

スムーズに手を進めていたシロネコ選手は、ここで初めてしばし考えた。
5枚の手札、4つのエナ。あんしゃ選手のリソースは、ぼちぼちといったところか。<シファル>を殴るか否か、だろうか。結局<シファル>を無視し、<アン=ミラ>のアタックでライフクロスをクラッシュする。サーバント回収のバーストが飛び出し、あんしゃ選手の手札へサーバントが加わる。そのガードでルリグアタックは止まるも、あんしゃ選手のライフクロスが尽きた。1−0。

返しのターン。場の<シファル>を見るあんしゃ選手。ここで、はたと手を止めた。
トラッシュやエナなどの領域をじっくりとにらみ、熟考の後に場の<シファル>をエナチャージ。<アン=ミラ><アン=ミラ><ガルグ>という、前のシロネコ選手と同じ動きで盤面を溶かした。
「リーサルが残り?使ってくると?ライフは?<ピルキー>はターン1だから・・・」。詰めを計算しつつ、ウリス起動でエナを焼く。場の<アン=ミラ>をリムーブし、<マーリン>を蘇生。そのまま「ディスペア」を使い、先ほどリムーブした<アン=ミラ>をライフクロスへ。アタックフェイズへ移った。


(スペックはSRシグニ<シャハラザ>に匹敵する。このカードを見ないセレモニーはない)

シロネコ選手は間髪入れず、<リーサル・ブラック>を突き出した。<アン=ミラ>を溶かし、1点回復。そのまま攻撃を通した。割れた2枚のライフクロスは全てサーバント回収。サーバント切れは心配無用、というところか。
しかしシロネコ選手は無表情を崩さない。動画やショップで見せる陽気な姿はどこへやら、だ。0−1。

シロネコ選手のウリスが、「ディスペア」で<アン=ミラ>を仕込み、「残りコインは1枚ね」と伝えた。「え?余ってるだけ、だよね?」と動揺するあんしゃ選手。シロネコ選手はそんな彼を尻目に、<マーリン>を蘇生させ、<アン=ミラ>で<ガルグ>を釣り上げる。何度も見た動きで、相手の盤面は一瞬で更地だ。6枚の潤沢な手札を抱え、シロネコ選手はすっと、アタックフェイズへ入る。
あんしゃ選手は<華代キー>で<アン=ミラ>をバニッシュしてしのいだ。残り1枚のライフは、「ディスペア」で埋めた<アン=ミラ>。このターンの敗北はない。場の<アン=ミラ>をリムーブしてまでも、「ディスペア」を選んだ理由がここにある。
シロネコ選手表情一つ崩さず、<ガルグ>のアタックでライフを割る。<アン=ミラ>のバーストで溶けた<マーリン>をすっとエナに置き、ルリグアタックでサーバントを捨てさせ、ターンを返した。1−0。

あんしゃ選手はしばし考え、ウリス起動でエナを焼いたが、そこからしばしの思考に入った。
まずは<ブラック・ドラゴン・ウェーブ>で、<ペイモン>と<アン=ミラ>を回収した。そして、<アン=ミラ><アン=ミラ><ガルグ>という何度も見る布陣を展開し、シロネコ選手の盤面を溶かす。アタックフェイズへ移った。
アタックに入られる、防御でシグニを除去する、残りを返しのメインで溶かす。そしてアタックに入る。これが、ミラーの立ち回りなのだろうか。


(「アンミラガルグ」はウリス基本の動き。手札を入れ替えつつ、パワーマイナスを振りまく)

シロネコ選手は<ピルルクキー>で、<ガルグ>をダウン凍結。残りのアタックはこちらもまた、<ディスペア>で仕込んだ<アン=ミラ>で受けきった。
全く同じ動きを両者が行なっている。主導権を握っているのはどちらなのか、隣で見ても不透明だ。0−0。

シロネコ選手のターン。ウリス起動でエナを焼き、あんしゃ選手のエナを3に落とした。
「んー、どうしようかな」と静かにうなり、<マーリン>を蘇生させ、<アン=ミラ><ガルグ>・・・、ではなく、<ベルゼブブ>だ。
<ベルゼブブ>の正面に立つ<アン=ミラ>のパワーを下げ、残るは2000。しっかりと3面要求しつつも、手札の消費を抑え、エナも絞っている。盤面は同じように見えても、細かいリソースの調整で、徐々に差が生まれつつあるようだ。

「負けなのでは?」とあんしゃ選手。<華代キー>のエクシード1回と<ハッピー5>2回で、このターンを止めた。
ゲームセットが近づいている。あんしゃ選手の次のターンの攻めは、シロネコ選手も<ピルルクキー>のエクシード1回分、<ハッピー5>が2回で、ピタリと止まる。
違いはひとつ。<リーサル・ブラック>を、あんしゃ選手が残しているというただ1点だ。

<アン=ミラ><ガルグ>で、シロネコ選手の残り2枚のシグニが溶ける。
あんしゃ選手は<ブラック・ドラゴン・ウェーブで>、<ガルグ>を2枚手札に引き寄せた。エナは3枚、手札は3枚。リーサルが撃てなくなるが、リソースを見越しての動きか。
<ガルグ>をリムーブし、<ガルグ>でドロー。アタックへ入った。シロネコ選手が<ピルキー><ハッピー5>で止める。

シロネコ選手のターン。おそらく、このターンが最後になるだろう。
<ブラック・ドラゴン・ウェーブ>で、あんしゃ選手のシグニを全てバニッシュ。シグニ3体を並べ、アタックへ入った。
あんしゃ選手が<リーサル・ブラック>を放つ。シグニを溶かし、デッキトップを1枚、ライフクロスに置く。
ライフクロスは1枚、アタック可能なシグニは2枚。最初のシグニがライフクロスを割ると・・・、飛び出したのは、なんと<アン=ミラ>。細い勝ち筋を、あんしゃ選手が紡いだ。
最後のシグニのパワーが0になり、盤面から退場する。残るは、ウリスのルリグアタックのみ。アタックを宣言すると。


(まさしくキーセレ版「フォーカラー・マイアズマ」。強力効果と美麗イラストが目を引く)

「リーサルでアンミラを埋めて、鯖を引くしかなかったんだよね」

あんしゃ選手の言葉の中に、ガードの文字はなかった。

WIN シロネコ選手

〜おまけ〜
「アンミラガルグ」の動きが基本だと、試合後のシロネコ選手は語った。
シグニ2枚に対しては、「アンミラ1枚目→効果発動なし→アンミラ2枚目→ガルグ蘇生→ガルグ効果1ドロー1ディス」で、24000を振りまける。前のターン1枚シグニを割っておけば、返しのこの動きでお手軽3面要求だ。
シロネコ選手のデッキとしては、ピルキーの採用が特徴的だったことだろうか。<華代キー>と比べて1ターン早く発動できることが、速攻系の華代デッキに強く立ち回れるのだ。ウムルに対するリソース稼ぎや、メルなどのバニッシュ耐性も意識しているという。曰く「1ターン早く展開できる華代キー、みたいな感じ」とのことだ。

あんしゃ選手も堅実な立ち回りで、シロネコ選手と渡り合っていた。
勝敗を決定づけた箇所はわからないが、「最初の方の<シファル>のライフバーストじゃないかなあ」と振り返っている。序盤の1枚がここまで響くとは、奥深い。
今回の両者の立ち回りは、ウリスデッキの基本をなぞったもの。伸び悩んでいる人は、この動きを参考にしてはいかがだろうか。私も隣で見ていて、「ウリスをきちんと勉強したい」という意欲が生まれた。堅実さを積み重ねた、準決勝らしいバトルだったといえよう。

デッキレシピ